COLUMN

【Column】ワールドカップも商売も一緒。勝てば(売れれば)盛り上がる(更に売れる)んよ

サッカーワールドカップの開催まであと10日になったが、全くと言っていいほど、その盛り上がりを感じられない。でもこれは正しいと思う。

結局オリンピックも開催前は開催批判の声も多く、盛り上がりにもかけると言われていたが、いざ始まって、日本のメダルラッシュとなると、手のひら返しで、多くの人が熱狂した。
2019年のラグビーワールドカップもそうだ。日本でラグビーワールドカップが開催されていることも開催当初知らなかった人も多かったのではないだろうか(私もそうだった)。しかし、日本が強豪国に勝ちを収めると一気に日本中が熱を帯びた。

結局、勝てば盛り上がるんですよね。コアのファンは勝ち負けに関係なく、自ら情報を仕入れて、応援して、楽しんでいるが、そこからニワカに派生させようと思ったら彼らにまずは情報を届けること(彼らはこの時点では興味がないから自分で情報を仕入れないのだから)。そして、その情報が彼らにとって興味的であること。の2つが必要になる。
それを満たすのが”勝って選手やファンが嬉しそうにしている。なんか楽しそう”と思える映像が、テレビやSNSで流れて、自然的に目にする状況ということになる。だから盛り上がりを生むには”勝ち”が前提になるのだ。ほとんどの人は、勝って欲しいと願って応援するのではなく、勝ってるから応援している。

これは商売も同じで”売れているから売れる”という現象である。
ほとんどの人が「美味しい・好き・自分に必要なもの」だから買っているのではなく、売れているから買っているのだ。
まずは定めたコアターゲットにしっかりと売ること。次にその売れているという情報をいかに多くの人に届けることができるか。商売の成功のステップはこれに限る。


最近の若者、通称Z世代は「自分自身の価値観を持っていて、周りに流されず、自分が良いと思ったものだけを買う」なんてことを言われたりするが本当にそうだろうか。日本がドイツ・スペインに勝った夜、渋谷の交差点に若者が集って騒ぎ始めなければ、それが証明されたと言えるだろう。

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