COLUMN

【Column】 観光土産店のモデルチェンジ

コロナウィルスの影響を最も受けている業種は、観光業か飲食業のどちらかだろう。当然、全国の観光地の土産店もこの1年半で大きな影響を受けて閉店に追い込まれた店舗も少なくない。

私たちは、現在道後温泉商店街にブランドを展開しており、その影響の大きさを肌で感じている。正直、3月以降ほとんどまともに営業できていない状態である。周りのお店に話を聞いても観光客の数は、例年の3分の1以下の状態だと言う。飲食店は、休業手当などの補償が出ているが、小売業の土産店などは補償が出ていないところも少なくなく、厳しい状況が続く。


コロナウィルスの影響によって、様々な方面で、この先10年で起こるだろうとされていた変化が一気に起きた。観光土産業界においても例外ではなく、強制的に時計の針を動かされた。


コロナウィルス発生以降、「団体旅行」という言葉は死語になったと言っても過言ではない。
コロナ前の観光土産業界において、私たちは、「団体旅行から個人旅行に推移してきており、これまでマージンを払って団体バスを呼び込んでいた大型のドライブインや観光施設はモデルチェンジを図る必要がある」という話をさせていただいていたが、それがコロナウィルスによって急激に、強制的な変化を要求され、待ったなしの状況となり、閉業に追い込まれた施設も少なくない。
2021年5月末で鳥取砂丘の老舗ドライブイン「砂丘フレンド」が閉店したことも大きなインパクトであった。

恐らく、この先、団体旅行の水準がコロナ前に戻ることはなく、個人旅行をターゲットにしたモデルチェンジは避けようがないだろう。

では、上記に述べたような団体旅行をターゲットにしていた施設は、どのように変わるべきなのだろうか。

そのモデル事例が「伊豆・村の駅」だ。
http://www.muranoeki.com/

大型の道の駅というと、農作物直売所・仕入れ品を並べたお土産売り場、そして団体客をターゲットとしたレストランという組み合わせが多いが、ここは一味違う!

たまご関連商品が100種類以上並ぶたまご専門店たたまご専門レストラン、しいたけバーガー専門店やマグロ料理専門店、さらにはこだわりのお豆腐専門店まで、「伊豆・村の駅」は単に地元の食材・商品が並ぶ道の駅ではなく、尖ったコンセプトの専門店が複数軒を連ねる食のテーマパークとなっている。だから、個人客がここを目的地に押し寄せてくる。

これこそが重要なポイントで、個人客をターゲットにした場合は、いかに立ち寄る理由を作れるかが重要である。この先、生き残るのは、その地のコンテンツを活かして専門店特化し、「ここでしか味わえない、買えない、体験できない」商品・コンテンツを作れるお店だろう。
だけになるだろう。

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